合コンに出席したら好きな女の子に趣味を罵倒された話【YouTube漫画】

こんにちは、松宮望です。

「合コン」をテーマにシナリオを書いてみました。

僕はフユキ。今日は幼なじみのアキトに誘われて合コンに来ていた。

正直に言うと合コンになんて来たくなかった。自宅でゆっくり本を読んだり、小説の続きを書きたかった。

合コンを断れなかったのは、僕を誘ったのはアキトだったことと、大学のミスコンで優勝したフブキさんが参加することを知ったからだ。

(やっぱりすごく綺麗だ。)

僕はひそかにフブキさんに憧れていた。

他の2人もすごく可愛かったけれど、僕にとってフブキさんの存在感は強烈だった。

こんな女の子と付き合えたら、きっと人生ハッピーだろうなと思う。

「じゃあ、俺から自己紹介するな。俺はアキト。大学1年でテニスサークルに所属しています。よろしく」

アキトがニコリと微笑んだ。爽やか笑顔に射抜かれた合コン参加者の女性たちは、全員アキトに見とれていた。

そんななか、フブキさんはテーブルに身を乗り出して聞いた。

「ねえねえ、アキトくんって、ひょっとして高校の時、テニスの地区大会で優勝しなかった?」

「えっ、なんで知ってるの!」

「やっぱり!私、アキトくんの決勝相手だった星ノ宮高校のテニス部マネージャーだったんだよ」

「まじで!すげぇ偶然だね!」

「だよね、だよね!本当、運命って感じだよね!」

あはは、と笑い会う二人。

美男美女って感じでとても絵になっていた。

アキトは見た目だけではなくて性格も良い。おまけにスポーツ万能だ。

モテるのは当然だけど、憧れている人がアキトに夢中だと、気持ち的に辛いものがある。

うつむいていると、アキトに肩を叩かれた。

「ほら、今度はフユキの自己紹介な」

「えと・・・・、フユキです。アキトとは幼なじみで、大学の1年です。趣味は読書でときどき自分でも小説を書いたりしています」

「・・・ぷぷ、ださ」

「えっ」

フブキさんの子馬鹿にしたような蔑みの声に、僕は動揺した。

「小説が趣味だなんて、ダサすぎ!しかも、自分で書いてるってドン引き!根暗すぎて超ウケるんですけど~!」

「ちょっと、フブキちゃんっ」

僕は目を丸くした。

僕は自分の趣味をダサいとは思っていなかったし、何がウケるのか分かっていなかった。

ただ、分かっているのは、憧れの人に馬鹿にされているという事実だけだ。

「小説書くってあれでしょ。可愛い女の子がいっぱい出てきて、取り柄のない主人公がモテるやつ。フユキくんっていかにもモテなさそうだし、空想の女の子が似合っているかもね。あははっ!」

「いや、僕が書いているのは、そういうのじゃないけれど・・・」

「えっ、なに?声が小さくて聞こえないよ~。フユキくんって本当にアキトくんの幼なじみなの?見た目も性格も全然違うじゃない?ぶっちゃけ、アキトくんと一緒にいるのも不自然なんだよね~」

僕はこの場から逃げ出したくなった。

自分の全てを否定されたような気がして、涙がこぼれそうになった。

「ねえ、アキトくん。合コン終わりにして、一緒に遊びにいかない?」

「そうだな。合コンは終わりにするか」

やった!と言わんばかりにフブキさんが笑顔になった。

立ち上がったアキトは僕を見た。

「帰ろうぜ、フユキ。俺んちでゲームでもしよう。ごめん、先輩、俺たち帰るから」

フブキさんの笑顔が固まった。

「まあ、しょうがないよね。俺はハーレムを満喫することにするよ。ということで、俺はアラシ。ただのイケメンさ。よろしくね、赤髪のお嬢さん」

「あはは、いきなり手を握ってこないでもらえます?セクハラで訴えますよ」

慌てたようにフブキさんは言った。

「な、なんで!アキトくんはいてくれてもいいよ」

「いやいや、ドン引きだから。フユキのこと笑っていたけど、俺からしてみれば、あんたのほうがドン引きだ。フブキちゃんのことも、最初はいいなって思ってた。フブキちゃんが言っていたように、運命かもって思った。でも、それはないわ。これ、今日のお代。後はみんなで楽しんでよ。行こうぜフユキ」

アキトは僕の手を引いて、店を出た。

「この前、格ゲー買ったんだわ。対戦やろうぜ」

「ああ」

アキトは合コンの一件など忘れたように、普段通り僕に接した。

「ふたりとも、待ってください!」

背中から焦るような声が聞こえて、僕たちは振り返った。

走って近づいてきたのは、合コンの席でフブキさんの隣にいた、確か、ハルカさんという女性だった。

ハルカさんは僕たちの前で立ち止まると、頭を下げた。

「不快な思いをさせてしまって、ごめんなさい!」

「・・・君に謝られてもしょうがないんだけど。それに君も彼女と同じでしょ」

「ち、違います!確かにフブキちゃんは友達だけれど、私はフユキくんの趣味を笑ったりしません。むしろ私と似ているかもって。実は私も本を読むのが大好きで、趣味で小説を書いているんです。作家になりたくて投稿もしているんですよ。私たち、きっと気が合うと思うんです。私と友達になってもらえませんか?」

その後、僕とハルカさんはよく一緒に会うようになった。

小説の感想の言い合いや、互いに書いた小説の見せ合いもした。

いつしか僕たちは彼氏彼女の関係になっていた。

あのときの合コンは災難だったけれど、そのおかげでハルカさんと出会えたのだから、人生何が起こるのかは分からない。

僕を合コンに誘ってくれて、庇ってくれたアキトには感謝してもしきれない。