そんな質問に答える記事を書きました。
結論ですが、納期をしっかり守ってくれるプロ意識の高い絵師もいますが、「納期を守ってくれないプロ意識の低い絵師もいる」のも事実です。
僕自身、「パッケージイラストを発注して商品化して販売する」という事業をおこなっているので、絵師に依頼する機会は多いですが、納期を守る絵師より、納期を守らない絵師の方が圧倒的に多いと感じています。
個人がニヤニヤと楽しむためにイラストを依頼するのであれば納期遅れはさほど問題にはなりません。
ですが、販売用の商品としてイラストを使う場合は、絵師の納期遅れは販売スケジュールの変更や資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
この記事では「納期を守らない絵師との関わり方とトラブル回避方法」について伝えていきます。
「絵師は納期を守らない」と思ったほうが事業は上手くいく
事業を上手く回すためには、事前にリスクを把握しておくことです。
「絵師は納期を守らない」と想定しておいた方が、事業を回しやすくなります。
僕の場合ですと、偽の納期&本当の納期を作り、「2ヶ月ほど余裕を持った依頼」をおこなうようにしています。
例えば、本当の納期は5か月以内だけど、絵師には3ヶ月納期で依頼するわけです。
3ヶ月以内に納品されなくても、本当の納期まで残り2ヶ月ほど残っていますので、
- 納品を待つことができる
- 絵師を切ることができる
という選択をすることが可能です。
僕も経験があるのですが、「絵師に依頼して一番困るのは本当の納期が過ぎた時点で依頼がキャンセルになる」ということです。
絵師を信頼することも大事ですが、全幅の信頼をするのも良くないと思っています。
「60%ぐらいの信頼」という感じで、僕は絵師に依頼をおこなうようにしていますね。
納期を守らない絵師が多すぎる問題!フリーランスのイラストレーターはプロ意識が足りない人が多いです
イラストを描く絵師に限った話ではないのですが、フリーランスの方に仕事を依頼すると、「納期通りに納品される」というのはなかなかにレアです。
「約束を果たす」という会社員にとっては極々当たり前のことを、フリーランスの世界では通用しないことがあるわけです。
理由としては、
- 自分を管理してくれる人間がいない
- 絵師が納期遅れでどんな影響が出るか理解していない
- なぜか自分が主導権を握っている偉い人と勘違いしている
ことが挙げられると思います。
それぞれ解説しますね。
自分を管理してくれる人間がいない
会社員の場合、会社が自分を管理してくれます。
仕事の遅れは、会社全体に迷惑をかけることに繋がります。誰か彼かが叱ってくれたり、手伝ったりしてくれます。
フリーランスの場合、誰も叱ってくれないし、仕事を手伝ってもくれません。
フリーランスは自分を管理してくれる存在がいませんので、良くも悪くも自由と言えます。
ですが、自由のなかに胡坐をかくプロ意識の低いフリーランスは、平気で納期を無視してきます。
絵師が納期遅れでどんな影響が出るか理解していない
イラストを発注する側は、「イラストをお金を払ってでも必要とする理由」を持っています。
ですが、絵師はその理由を理解していないのです。
- 納期が定められている理由
- 納期が遅れると困る理由
「自分の仕事が遅れることで発注者にどんな影響を与えるのか?」を考えていないわけです。
なぜか自分が主導権を握っていると勘違いしている
極々一部の絵師ですが、「自分は偉い」とひどい勘違いをしている方もいます。
「本当は依頼を受けたくなかったんだけど仕方なく仕事を受けてあげたんだよ」というなぜか上から目線な態度をとってくるわけです。
発注者からしてみれば、単なる無責任な絵師に過ぎません。
絵師の納期遅れで実際にあったヤバすぎる言い訳
絵師にイラストを依頼して、納期が遅れたとき、「言い訳」をされる場合が多々あります。
指定したものを納期までにしっかりと納品してくれる外注さんはガチ最強です
フリーの方に依頼すると6割ぐらいの方が、音信普通になったり、パソコンが壊れたり、入院したり、親戚の不幸があったり、遺産相続の問題に巻き込まれたりと、不幸のオンパレードが発生する
誠実に仕事をしてくれる人を選ぶ
— マツモト@ブログを書く人 (@matsukazu1222) July 26, 2021
このツイートは嘘と思われるかもですが、本当の話です。
絵師に関係なく、フリーランスの方は、色んな言い訳を考えてくるわけです。
- 自分のスケジュール管理が甘かった
- 納期を短くしたクライアントが悪い
- パソコンがぶっ壊れた
- 障害が起こりネットが繋がらなくなった
- 電気料金の支払いを忘れて電気が止められた
- 体調不良で制作する時間が取れない
- 長期入院することになりました
- 親戚に不幸があり遺産相続の関係で納品が遅れる
「スケジュール管理の甘さ」など自分の非を認める絵師はまだ可愛いのですが、責任転嫁してくる場合もありますので、
と思ったことがありますね。
イラストレーターが納期を守ってくれなくてかなり困った2つの事例
これまでイラストレーターにイラストを発注して、納期遅れから困ったことが2つあります。
それぞれ紹介します。
スケジュール通りの販売がおこなえず資金繰りに影響が出た
イラストレーターの納品遅れのせいで、予定通りの販売ができず、資金繰りに影響が出たことがあります。
僕もですが、販売関係の事業をおこなっている方は、商品開発から販売までのスケジュールをあらかじめ考えているケースが多いです。
納期が遅れれば、予定していた販売日がズレ込み、「その月に入ってくる予定だった売上が入ってこない」という状況に陥ります。
「売上を当てにしていた場合、翌月の支払いができない」という最悪なケースもあれば、人件費が膨らむ可能性もあるし、プロモーションや広告宣伝を事前に依頼している場合は、日程変更を余儀なくされます。
納期遅れは、本人が思っているより、発注者側に与える影響は大きいものなのです。
納期を過ぎてからキャンセルの連絡が届いた
イラストレーターへの依頼で一番困るのは、納期過ぎてのドタキャンです。
納期を過ぎてから、催促の連絡を入れたら、
と言われたことがあります。
多少の納期遅れを想定したスケジュールを作っていても、絵師が降板になった場合、改めて絵師を探して依頼する必要があります。
圧迫したスケジュールのなかで、依頼を受けてくれる絵師を探すのはなかなかに困難です。
また、探した絵師も納期を守ってくれる保証はありません。
スケジュールが崩壊するわけです。
納期を守る絵師を見極める4つの考え方
イラストを依頼する場合、「納期を守ってくれる可能性の高い絵師」を見極める必要があります。
僕が現在意識している絵師の選び方について伝えていきます。
商業や同人でお仕事経験のある絵師
商業や同人で仕事経験のある方は、「プロ意識」を持っている傾向にあります。
出来る限り、絵でお金を得ているプロ絵師に依頼したほうが、納期遅れのリスクは低いと思っています。
僕自身経験があるのですが、
- 商業や同人でバリバリ活躍している絵師
- 自身で同人誌を制作販売している絵師
このようなイラストレーターは、「仕事の忙しさを理由に納期が遅れる」というケースは多々あります。
本当の納期とは別に、余裕を持った納期で依頼をしたほうが無難と思っています。
ホームページを所持しておりSNSでも仕事募集と掲載されている
イラストレーターが、
- ホームページでお仕事募集と掲載している
- Twitterでお仕事募集と掲載している
という場合は、「絵師側も仕事を望んでいる」ことから、プロ意識を持って仕事に取り組んでくれる傾向にあります。
「ホームページを所持していない&Twitterで仕事募集を掲載していない」という場合は、いくら魅力的なイラストを描いていたとしても、依頼しない方が無難だと思っています。
- 趣味でイラストを描いている方
- お金を得るためにイラストを描いている方
では、やはり意識レベルが違うわけです。
僕も仕事募集をしていない絵師に、イラストを依頼して、仕事を受けてもらったことがあるのですが、「納期遅れ&音信不通」になりました。
SNSに愚痴や悪口を発信していない
僕は絵師にイラストを依頼するときに、「絵師のTwitterアカウントのツイート内容」を調べるようにしています。
愚痴や悪口を発信していた場合、魅力的なイラストを描いていたとしても、依頼しないようにしています。
理由はシンプルで、
- トラブルを生む可能性がある
- 依頼内容をTwitter上で晒される可能性がある
依頼するメリットより、デメリットやリスクの方が高いのです。
自分が依頼したいイラストと絵師が得意としているイラストの傾向が似ている
人間はモチベーションに左右される生き物です。
と割り切っていても、
- やりたい仕事
- やりたくない仕事
は存在するわけです。
僕が絵師にイラストを依頼するとき意識していることは、「自分が依頼したいイラストと絵師が得意としているイラストの傾向をできるだけ寄せる」ということです。
例えば、キャライラストの場合、絵師ごとに好みがそれぞれ違います。
- JKが好き
- 銀髪女子が好き
- メイド服が好き
- 黒髪の大人のお姉さんが好き
- 照れた女の子が好き
- 金髪の女の子が好き
いわゆる性癖ですね。
「絵師の性癖に近いイラストを依頼する」ということを意識するようにしていますね。
絵師にとってもやりたい仕事であるため、モチベーションを高めて取り組むことができ、納期通り納品してくれるわけです。
絵師が納期を守らなかったときの対応方法
絵師が納期を守らなかったとき、僕が普段どんな対応をしているのか解説します。
偽の納期前に「納品が遅れる」の事前連絡があったとき
僕の場合ですと、販売商品の内容にもよりますが、偽の納期と本当の納期を作り、「2ヶ月の余裕」を持った依頼をおこなうようにしています。
偽の納期前に「遅れる」の連絡が届き、本当の納期に間に合うようなら、「大丈夫ですよ!」で軽く許します。
現状のままだと、本当の納期にすら間に合いそうにないのなら、「急いでいる」という状況を説明して、納品を急かします。
それでも、納品に間に合いそうにないなら、依頼はキャンセルします。
納品遅れの連絡がなく偽の納期が過ぎた場合
偽の納期を過ぎて、1週間経ってもイラストが納品されなかった場合、催促の連絡を入れます。
1週間待つ理由としては、性格が悪いかもですが、「いまメールを送ろうとしていたんです」という言い訳を封じるためです。
「1週間」という日数はそれなりに長いと思っています。
それなりの猶予を与えたのに、「納品できなかったことに対する責任」を感じてもらうため、あえてすぐに連絡しないようにしています。
メール返信後のやりとりは、「納期遅れの事前連絡があったとき」と同じです。
ただし、「納期遅れの事前連絡が届かなかった絵師は、実力があっても二度と依頼しない」と決めています。
納期を守らない嘘つきイラストレーターは実力があっても切るべき
僕自身、イラスト依頼の納期は決めていますが、
と「納期絶対主義」を掲げているわけではありません。
実際、納期を守らなかったイラストレーターに再度リピート依頼することもあります。
- 偽納期前に「納期が遅れる」の連絡が届いた
- 納期遅れのメールのときに「申し訳なさ」を文章から感じた
- 改めて決めた納期にしっかりと納品してくれた
- 二度目の依頼ではしっかりと納期通りに納品してくれた
という場合は、2度~3度とリピート依頼をおこないます。
逆に、
- 偽納期が過ぎても「納期が遅れる」の連絡が届かない
- 納期遅れのメールのときに「申し訳なさ」を文章から感じない
- 改めて決めた納期すらも守らない
という絵師に関しては、二度とイラスト依頼はしません。
結局のところ納期を守らない絵師に依頼した自分の責任
絵師にイラストを依頼するとき僕が意識していることは、「絵師が納期を守らなかかったとしても絵師に怒りをぶつけない」ということです。
自己完結するようにしています。
理由はシンプルで、怒ってもどうにもならないし、怒っても相手を動かすことはできません。
人は自分をコントロールすることはできますが、相手をコントロールすることはできないわけです。
怒っている余計な時間があるなら、次のことを考えたほうが、生産的と言えるでしょう。
まとめ
絵師の中には、
- プロ意識の高い絵師
- プロ意識の低い絵師
が存在します。
プロ意識の低い絵師に依頼してしまった場合、納期を守ってくれない可能性が高いです。
絵師に納期を守って欲しいなら、「プロ意識の高い絵師に依頼する」ことは絶対条件です。
事業などの関係からイラスト発注をおこなうなら、
- イラストが納期通り届くとは限らない
- 絵師は納期を守らない可能性がある
- 100%絵師の言葉を信用してはいけない
ということは頭に入れておいた方が、事業リスクは減ると思っています。